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5.302019
蓄熱槽とは
熱源設備と空調機設備の間に「蓄熱槽」という設備を挟んで、エネルギー効率を上げる方法があります。
蓄熱槽とは、プールのように大きな水槽(もしくはパンパンのタンク)の事を指します。夜間の安い電力を使って、夜の間にエネルギー(熱)を溜めて、温水にしたり、夏場であれば冷水にしておきます。
蓄熱槽の主な目的としては、熱源設備をメンテナンスで一時停止させる時や故障で停止した時に予備熱源として利用したり、昼と夜の需要電力を平坦にしたり、排熱や太陽熱を利用する事でエネルギー効率を上げたりする為に使われます。
蓄熱槽の種類は、大きく下記の2種類あります。
1.密閉式蓄熱槽
2.開放式蓄熱槽
1の「密閉式蓄熱槽」は、その名の通り、槽が密閉構造となっており、タンクは常に満水で圧力がかかった状態になっています。お湯の循環をさせる為の動力ポンプは必要になりますが、給水圧で供給することができます。
一方、2の「開放式蓄熱槽」は、まさにプールのような大きな水槽で表面が開放されており、建物や熱源設備までお湯を押し上げるエネルギーが追加で必要になります。更に、開放型の為、水質の汚染も気を付けなければいけません。
蓄熱槽の全般的なメリットとしては、
1.安い夜間電力の活用が可能
2.熱源設備が壊れたり、停電時に一時的に蓄熱を利用できる
3.需要の少ない夜間運転で凝縮圧力が低く、エネルギー効率が向上する
4.熱源装置自体のダウンサイジングが出来る
5.部屋の拡張など需要変動に対応しやすい
6.火災時の消火用水として活用できる
があります。
一方、デメリットとしては、
1.建設コストがかかる
2.開放式蓄熱槽ではポンプ揚程が大きく、必要動力が大きくなる
3.夜間運転の切り替え用の管理人コストがかかる
4.蓄積した熱の60%ほどしか活用できない
があります。ですので、蓄熱槽に関しては、建物によってあるところとないところに分かれます。