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冷却塔とは

ビルやホテルなど大きな建物の屋上に、良く丸形や角形の冷却塔が置かれているのを見たことがあると思います。(どれが冷却塔か分かりにくいかもですが。)その冷却塔の役割は、セントラル空調などの空調設備である冷凍機の冷却水を冷やすことです。先の冷凍機に説明した、圧縮の後の冷媒ガスを冷却するときの水です。

冷却によって温度の上がった冷却水を冷却塔の中で送風機によって強制的に送り込まれた外気と接触させて、温度を下げ、再度冷凍機に送り込みます。外気と接触させて温度を下げる仕組みとしては、冷却水が外気に蒸発する際の気化熱を利用したものになります。

身体にぬるま湯をかけて風に当たると涼しい(寒い)と感じる現象です。(夏場、道路に水をかけて涼しくしているのもこの気化熱を利用したものになります。湿度が上がる為、余計蒸し暑く感じる時もありますが。。)

冷却塔は構造によって、下記の2種類があります。

1.開放型冷却塔
2.密閉型冷却塔

1の「開放型冷却塔」は、充填材、水槽。散水装置、送風機から構成されます。冷却水を上からシャワーのように散水させて外気に触れさせます。(外からも水が出ているのが見えます。)外気が乾燥していればしている程、蒸発しやすいので、冷却水が下がりやすくなります。基本的に湿球温度よりも下がりはしません。通常、冷却水の出口(散水後)の温度と外気湿球温度の差(アプローチと呼ばれます)は5℃くらいになります。

2の「密閉型冷却塔」は、開放型冷却塔と異なり、外気に触れずに大型の容器の中に送風機で風を送り込んで、冷却水を冷やします。直接外気と触れない為、大気汚染による水質悪化の心配はしなくて良いのが利点ですが、一方で同じ冷却力を持たせるには開放型冷却塔よりも随分と大型にする必要があります。

散水が偏ってしまっていたり、送風機が故障していたり、充填材が破損していると冷却塔は上手く機能しません。また想定よりも湿度が常時高く、外気の湿球温度が高くなってしまっても上手く冷えません。

最近、保健所のチェックが厳しくなっているのが、冷却塔における冷却水の「レジオネラ菌の繁殖防止」です。レジオネラ菌は開放型も密閉型も同じく繁殖の危険があり、定期的に清掃や殺菌剤の添加をして、スライム(ドロドロの液体)やレジオネラ菌を防ぐ必要があります。

また、冷却塔の設置位置として水処理剤の大気汚染の影響も考えて、建物の外気取り込み口から十分に離さなければいけません。更に、冷却水の電気伝導度の変化を連続的に測定することで、補給する水の量を調整します。

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