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浄化槽について

建物で出た排水は排水管を通って、そのまま下水道に流れるか、地域の処理場を通るか、浄化槽を通ります。その内の「浄化槽」について理解をしておきたいと思います。

浄化槽は昔は各家庭の水洗トイレ毎に設置することが出来ましたが、現在は「合併処理浄化槽」といって台所や浴室など複数の排水を処理する浄化槽しか設置できなくなっています。

浄化槽は下記の2種類に分かれます。

1.BOD除去型浄化槽(嫌気ろ床接触ばっき方式)
 1-1.流量調整槽: 汚水の流量変動を調整する
 1-2.嫌気ろ床槽: 汚水の浮遊物を除き、まずは嫌気性微生物を使って有機物を分解 ※嫌気とは酸素が介在しないこと
 1-3.接触ばっ気槽: 嫌気ろ床槽と異なり、今度は空気を送り込んで好気性微生物によって有機物を分解
 1-4.沈殿槽: 接触ばっ気槽で使用した微生物を沈殿させ、上澄み液を送る
 1-5.消毒槽: 上澄み液を塩素剤で消毒して、海や川に放流する

2.高度処理型浄化槽: BOD除去型よりもキレイな水にしたい場合に使う
 2-1.凝縮沈殿法
 2-2.急砂ろ過法
 2-3.イオン交換法
 2-4.生物膜法
 2-5.活性炭吸着法
 2-6.オゾン酸化法
 2-7.生物学的硝化脱窒法

BOD除去型の「BOD」とは、水の汚れを微生物が分解するときに使用する酸素の量になります。分解に使用する酸素の量が多ければ多いほど、汚れが多い状態になります。水の中の酸素供給量が減ってしまうと、汚れを有機物が分解することが出来ずに、悪臭や魚が窒息してしまったりします。水をキレイに保つ上でも水中酸素量というのは重要になります。

浄化槽の規模(大きさ)は下記によってそれぞれ計算されます。

1.延べ面積(比較的ざっくり計算): クリニックなどの医院、家、ホテル、スーパー銭湯など
2.定員(細かく計算): 学校、工場、病院(ベッド数)
3.トイレの数(細かく計算): 遊園地、公衆トイレ

浄化槽も貯水槽や貯湯槽などの清掃と同じく、下記のような清掃・メンテナンスが義務付けられています。

1.定期清掃: 1年に1回(使用開始前に1回)
2.水質検査: 1年に1回
3.501人分の浄化槽サイズの場合: 専門の技術管理者の設置
4.浄化槽の登録有効期間: 5年

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