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ビル管理法以外の建物内の環境規定とは?【労働者編】

ビル管理法で規定される特定建築物の守るべき環境の他にも建物内の環境を規定する法律はいくつかあります。一つは前回記事にも書きました「学校」に関する「学校保健法」です。他にも労働者を守るための下記の「労働安全衛生法」があります。

労働基準法」と相まって、「労働災害の防止」のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化および自主的活動の促進の措置を講ずるなど、その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における「労働者の安全と健康」を確保するとともに、「快適な職場環境」の形成を促進することを目的とする

その労働安全衛生法の中に、「事務所衛生基準規則」という内容があり、労働者が安全に健康的に過ごすための基準が下記のように規定されています。

1.気積(容積): 10㎥以上/1名あたり
2.一酸化炭素: 50ppm以下
3.二酸化炭素: 5,000ppm以下
4.室内温度: 10℃以上
5.照度: 300㏓以上(精密)、150㏓以上(普通)、70㏓(粗)
6.便所: 大便器1個以上/60名(男性)、小便器1個以上/30名(男性)、大便器1個以上/20名(女性)
7.休憩できるスペースが必要
8.燃焼器具を使用する部屋には、排気筒、換気扇などの換気設備が必要

ビル管理法で定める、下記の空気環境基準よりは緩めな基準となっていることが分かります。ただし、空気調和設備・機械換気設備を設けている場合は、ビル管理法と同じ下記の基準に適合していなければいけません。

1.浮遊粉塵: 0.15mg/㎥以下【平均値】
2.一酸化炭素: 10ppm以下【平均値】
3.二酸化炭素: 1,000ppm以下【平均値】
4.温度: 17℃~28℃【瞬時値】
5.相対湿度: 40~70%【瞬時値】
6.気流: 0.5m/s以下【瞬時値】
7.ホルムアルデヒド: 0.1mg/㎥以下

また、労働安全衛生法の中に、別途、事業者に求める下記の内容もあります。

1.事業場の規模に応じて、「産業医」を選任しなければいけない
2.有害な業務を行う屋内作業場、その他作業場で必要な作業環境測定を行い、その結果を記録しておかなければいけない
3.一定規模の事業場においては、常時使用する労働者に対し、医師、保健師などによる心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない
4.伝染性の疫病やその他の疫病で、厚生労働省令で定めるものにかかった労働者については、その就業を禁止しなければいけない
5.健康診断の結果を所轄の「労働基準監督署長」に提出しなければならない

このように、ビル管理法以外にも、建物内にいる人の種類(学生、労働者)によって各法律で規定されることがあることが分かります。

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