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ダクトとは

空調設備を構成する下記の5つの内、「空調機設備」について紹介してきましたので、今回から「3.熱搬送設備」の紹介をしたいと思います。

1.熱源設備: ボイラ、冷凍機
電気やガス・油などの燃料を使い、冷暖房や給湯等に使う熱に変換し供給する設備
2.空調機設備: 空調機本体、エアハンドリングユニット
ケーシング(枠)の中に、冷凍機・送風機・熱交換器・加湿器・エアフィルタを並べた設備
3.熱搬送設備: ダクト、ポンプ
熱源と空間を行う目的の場所の間を配管(ダクト)などを通じて熱媒を送り熱エネルギーを移動させる設備
4.自動制御設備
温度、湿度などを自動でコントロールする機器

熱搬送設備の中のメインとなる「ダクト」について紹介します。ダクトとは、気体を運ぶ管です。天井裏などに四角い形や筒状の管が這っているものが、ダクトになります。ダクトの中は空っぽで、空気が通る為だけの機能になっています。そんなシンプルな構造ですが、設計において気を付けることは中を通る【空気の速度】です。

空気の速度によってダクトが2種類に分かれます。

1.高速ダクト: 風速が15m/s以上
2.低速ダクト: 風速が15m/s未満

ダクトの設計はサイズ設計が全てになりますが、そのサイズを決める上での基準となる設計方法は下記の3つになります。

1.等摩擦損失法: ダクト単位長さあたりの摩擦損失が一定となるように設計
2.等速法: ダクト内の風速が一定になるように設計
3.静圧再取得法: 高速ダクトで使われる。ダクト分岐による風速減少を利用して再生される静圧を活用する設計

ダクトの材料は、下記の2種類があります。

1.亜鉛鉄板: 通常よく使われる
2.グラスウール: 断熱吸音性に優れる、ただし使用できる風速と圧力に制限がある

ダクトで生じる問題は、「振動」とそれにともなう「騒音」です。「ブオー」とか「ガガガ」といった音が聞こえると、ホテルなどの客室ではクレームになってしまいます。そうした騒音が起きる原因としては、下記が挙げられます。

1.ダクト間隔が長い
2.ダクトの鉄板が薄い
3.風速や風量が大きい
4.ダクトのR(曲がり)がきつい
5.ダクトと送風機の接手が壊れている

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