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排水の通気管

これまで排水管について紹介してきましたが、排水管と共に必要な管が「通気管」になります。

ストローで容器から水を吸い込んで、ストローの口を指で押さえるとストローの中の水がこぼれず、そのままストローの中に残るのを誰もが体験していると思います。中に密閉された空気によってストローの中の水が引っ張られてしまうからです。

通気管の意味合い

これと同じ現象が排水管でも起こり得ます。排水管では常時水が流れているわけではないので、水と空気が排水管内に両方存在します。その中で空気が水に挟まって密閉状態となると、水の自重で下に排水されなくなってしまいます。なので、通気管を通して、排水管に空気を上部に逃がしてあげることで水の流れをスムーズにします。

またトイレや洗面所にS字やP字に曲げた管トラップにおいて、空気が入らず水で配管が満タンになってしまうと、「サイホン現象」が起き、トラップで残っていた水も全て下に流れていってしまいます。つまり、破封してしまうのです。

サイホン現象とは、高い場所にあるタンクに入った水に、管内に水が詰まった配管を低い場所にあるタンクに繋ぐと、高い場所のタンクの水が低い場所のタンクにどんどん流れていく現象をいいます。魚の水槽の水換えなどで利用する原理です。

更に、排水の場合は臭いもしますので、大気の空気と換気することで、排水管内の空気を清潔に保ちます。

通気管の方式

こうした重要な意味を持つ「通気管」は下記のつなぎ方があります。

1.(各個別通気管↑)×(伸長通気管↑)+(通気立て管↑)→ベンドギャップ(出口)
2.(最上流部の器具排水管からのループ通気管↑)×(伸長通気管↑)+(通気立て管↑)→ベンドギャップ(出口)
3.(伸長通気管↑)→ベンドギャップ(出口)

伸長通気管」とは、排水立て管の最上部を管径そのままに更に伸ばして、空気の通り道を作る管をいいます。ただし、通気立て管がない3の伸長通気管のみのパターンの場合、通気量が限られる為、排水立て管を曲げてはいけません。(オフセットを設けてはいけません。)

また、下記の場合は「通気立て管」が必須になります。

1.排水横主管が排水で満タンになる場合
2.ブランチ間隔(各フロアの横管が縦に2.5mを超える区間の数)が3つ以上×(ループ通気管) or (各個別通気管)がある時

通気管の出口は、汚水の臭気がでてきますので、下記の場所からは離して設置しなければいけません。

1.窓、換気口: 上端から60cm or 水平距離で3m
2.屋根: 20cm以上立ち上げる
3.人が利用する屋上: 2m以上立ち上げる
4.積雪地: 積雪深度以上に立ち上げる

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