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給湯方法について

建物内への水の供給は、冷たい水だけでなく、暖かいお湯もあります。お湯を供給することを「給湯」と言います。今回は給湯について整理したいと思います。

まずはお湯そのものに関する性質について説明します。お湯は100℃になると沸騰(水の中からブクブクと水蒸気が発生)しますが、これは圧力によって変動します。

圧力が大気圧よりも大きくなれば、沸騰する温度が100℃を超えます。これを利用したのが圧力調理器です。逆に大気圧よりも小さくなれば、沸騰する温度は100℃以下になります。山の上でカップ麺のお湯を沸かした時にぬるいカップ麺になるのはこの現象です。

真空になると、大気圧がゼロに近づいてしまい、直ぐに沸騰してしまいます。ポンプの吸い込み側は真空となるので、60℃を超えるとお湯をくみ上げる事が出来なくなります。

また、水温が上がる(エネルギーが上がる)と水中に溶け込む空気の量が減ります。逆に、気体の圧力が上がれば、気体が液体に押し込まれて溶け込む量が増えます。

お湯を温める装置(給湯器など)内では、気体の圧力も上昇します。するとお湯に空気が多く溶けてしまうのでそれを防ぐために、ガス抜きをします。ガス抜きは圧力の低い場所つまり一番高い場所から行います。

次にお湯をつくる給湯装置について下記に整理します。

1.中央式給湯方式:一括でお湯をつくり貯湯槽から供給する方式、ホテルや病院など大規模のお湯が必要な場合に適用
 1-1.直接加熱式:水を直接加熱してお湯にする方法
  1-1-1.貫流ボイラ
  1-1-2.電気温水器
  1-1-3.貯蔵式湯沸器:外に設置し、90℃以上の高温のお湯が作れる
 1-2.間接加熱式:蒸気や温水から加熱コイルで間接的に水を温める方法
  1-2-1.加熱コイル付貯湯槽
  1-2-2.熱交換器
  1-2-3.熱交換器+貯湯槽:ピークカットに活用
2.局所式給湯方式:お湯を使う場所の傍に湯沸器を置く方式

1の「中央式給湯方式」で気を付けるべき点を整理しておきます。

1.循環ポンプを設置して、常に配管内に熱いお湯がでるように調整する
2.給湯温度は60℃程度にする。55℃以下にするとレジオネラ菌の繁殖のリスクがある
3.給湯用の横主管(水平方向のメインの配管)は、1/200~1/300程度の上がり勾配をつけ、トップに自動空気抜き弁をつける
4.膨張したお湯を逃がす為に、上部に逃がし管をつける
5.気体の圧力が上昇した際にガス抜きするための逃がし弁(安全弁)をつける

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