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火災と防災設備

建物の災害の一つに「火災」があります。タバコの不始末など、火種が燃え移り炎になると火災となります。つまり、火種(点火エネルギー)と布や紙などの可燃物があり、酸素があれば火災が発生し得ます。火災は、下記のプロセスで大きくなっていきます。

1.出火: 火災の発生
2.初期火災: 火災発生の2分間(初期消火が間に合う時間)
3.フラッシュオーバー: 部屋全体に一気に炎が拡がる現象
※バックドラフト(部屋を開けて新鮮な空気が入ることで一気に炎が噴き出す現象)とは異なる
4.火盛り期: 全部屋に炎が渦巻き、黒煙と共に炎が窓から噴出する状態

こうした火災を消火するための設備が建物内には設置されています。消防設備と呼ばれ、下記のように分類されます。

1.消防の用に供する設備: 建物内にいる人が使う設備
 1-1.消火設備: 消火器、消火栓、スプリンクラー
 1-2.警報設備: 火災報知器、非常警報設備
 1-3.避難設備: 滑り台、避難はしご、誘導灯
2.消防用水: 防火水槽、貯水池
3.消火活動上必要な施設: 主に消防隊員が使う設備
 3-1.排煙設備
 3-2.連結散水設備
 3-3.連結送水管
 3-4.非常コンセント設備
 3-5.無線通話補助設備

無線通話補助設備などは建物内のスタッフも使う場合はあります。(火災報知器についている穴に専用の電話を繋げると中央の警報設備と繋がって電話が出来ます。)

初期火災が起きる前に、火災の発生に気づくために「感知器」の設置もされています。まず熱に反応する「熱感知器」は下記の3つの方式があります。

1.差動式: 温度の上昇率がある一定を超えると発動
2.定温式: 温度自体がある一定を超えると発動
3.補償式: 「差動式」+「定温式」

次に、煙に反応する「煙感知器」は下記の2つの方式があります。煙感知器の方が熱感知器よりも火が起きる前に発見することができます。

1.イオン化式
2.光電式

他に、炎に反応する「炎感知器」もあります。炎の紫外線もしくは赤外線(熱線)を感知して反応します。遠くの場所でも感知できるため、大型のドームなどの高い天井に設置されています。(熱感知器などでは温度が天井と地面では異なりすぎて感知が遅れてしまいます。)

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