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外気温による人への影響

前回の記事から「人体の機能」にフォーカスを当てて、建物管理の在り方について考えたいと思います。
今回は、温度による影響について考えたいと思います。まず外の温度によって人の体温はどのように変化するのでしょうか。

実は、場所によって影響を受ける所と影響を受けない所があります。

影響を受ける場所は、外に触れている部分つまりは皮膚です。更に、心臓から遠い場所ほど影響を受けます。一番遠い場所は、「」です。次に「」です。そして「」になります。具体的には外の気温が22℃の時、足の温度は25℃、手の温度は30℃、顔の温度が34℃と平均が取れます。最も影響の受けない場所は、外に触れていない部分つまり内臓になります。内臓の温度に関しては核心温と呼ばれ、36℃から37℃で保持されています。その内臓の中でも最も影響を受けないのが、「直腸」になります。

この影響を受ける場所と受けない場所を「敢えて」作っているのが、皮膚の「体温調整」機能になります。

外の気温が寒くなれば、直接外気と触れている皮膚の中の血管を収縮して皮膚の温度を下げます。こうすることで、外気の温度とその境界となる皮膚の温度の差を減らすことができ、身体から熱が逃げていく(放熱)のを防いでいるのです。(放熱しすぎて死なないようにしている。)一方、外の温度が暑くなれば、汗を出し蒸発することで気化熱を利用して、体内の熱を下げます。(熱が上がりすぎて機能不全にならないようにしている。)

このような人間の身体が自律神経によって自動的に調整してくれる体温調整もあれば、寒ければ洋服を着る、冷暖房をつけるといった人間ならではの文化的な体温調整もあります。

更に、人間は環境によって身体の構造を変化させる力、つまり適応する力もあります。例えば、暑い地域に住んでいる人々は、汗を沢山出せるように汗腺数が他の地域よりも多くなっています。他にも、ヒマラヤなど高度の高い地域で住んでいる人々は酸素が薄い為、酸素を運ぶ赤血球数が多くなっています。

このように人間の身体は、外部刺激によっての変動に対して、なるべく体内の中にある重要な器官が影響を受けないように、皮膚や自律神経によって上手く調整(恒常性を維持)しようとします。

ただし、こうした機能も年齢と共に低下してきます。なので、外部刺激の一つである「ストレス」(ストレッサー)は、高齢者になればなるほど感じやすくなります。ちょっとしたことでもイライラしたり、大声を出してしまう高齢者がいるのは、ストレス耐性の衰えにも影響があると言えます。

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