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個別方式空気調和設備

前回の記事で特定建築物など大型の施設で使われる空調である「中央方式空気調和設備」について紹介しましたが、別の方式として「個別方式空気調和設備」があります。

個別方式空気調和設備は、2種類あります。

1.空気熱源ヒートポンプ
2.水熱源ヒートポンプ

1の「空気熱源ヒートポンプ」はマンションや戸建住宅でも良く見られる、ベランダに室外機があり、その内側の部屋の壁に吹き出し用のエアコンのタイプです。これは外の空気の熱量と室内の空気の熱量を利用して、空気調和している機械になります。個別空調はセントラル空調と異なり、下記の利点があります

1.運転時間の節約ができる
2.温度の設定が個別にできる
3.運転コストの分担が明確になる(オフィスビルなど)
4.機器の故障リスクが分散化される
5.セントラル空調で必要な大型のダクトが必要ない為、施工が楽

個別空調は小型の建物だけしか対応できないかというとそうではなく、マルチユニット型として個別空調を対応することができます。一つのヒートポンプに複数の空気調和器を組み合わせる方式です。これにより、殆どの規模の建築物に対応ができます。更に、透湿膜式の加湿器を別途組み合わせると、冬場乾燥する空気の湿度を調整することもできます。

2の「水熱源ヒートポンプ」は、空気ではなく水の熱量を利用した空気調和機になります。水の配管でヒートポンプをつなぎ、屋上に冷却塔と補助温熱源を設置します。冷房時はヒートポンプから循環水へ放熱を行い、その放熱で温かくなった循環水を屋上の冷却塔で冷やし、循環します。

一方、暖房時はヒートポンプで水から熱を回収し、採熱で冷えた循環水を補助温熱源で加熱して、また循環させます。この水熱源ヒートポンプの利点は、冷暖房を同時に運転させた場合(あまり無いかもしれませんが)に、冷房モードの循環水へ放熱した熱をそのまま暖房モードの空調機が利用できるため、熱回収効率が高まります。

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