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中央方式空気調和設備

前回、空調設備(空気調和設備)について紹介しましたが、今回は「中央方式空気調和設備」について詳細まとめたいと思います。前回も紹介したように、中央方式空気調和設備は下記の7種類あります。

1.定風量単一ダクト方式
2.変風量単一ダクト方式
3.二重ダクト方式
4.ダクト併用ファンコイルユニット方式
5.床吹き出し方式
6.放射冷暖房方式
7.低温冷風空調システム

まず、「1.定風量単一ダクト方式」は、最も基本のセントラル空調になります。屋上や地下などに空調機設備が置かれ、そこからダクトを通じて各部屋に一定風量を供給します。各部屋での風量調整などは出来ない為、個別の温湿度制御はできません。個別の部屋がたくさんある場合は不向きですが、単独の大空間に対しては有効です。熱負荷の変化に対応して、給気温度を変化させます。

次に、「2.変風量単一ダクト方式」は、「1.定風量単一ダクト方式」に各部屋にVAVユニットがついたバージョンになります。VAVユニットとは、簡単に言えば開閉ができる扇風機付きBOXといった感じです。ホテルなどで、「Low/Middle/High」といった空調のボタンを見ることができますが、それがまさにVAVによる調整になります。各部屋で送風量を変化させることができます。各部屋で熱負荷のピークが変わる為、定風量方式よりも吹き出し風量をトータルで小さく(省エネ)することが出来ます。ただ、部屋ごとに風量を変えれる為、風量をゼロにしてしまうと空気の換気が出来ずに空気清浄度が低下するリスクはあります。清掃時になるべく窓を開けて換気することが必要です。

「3.二重ダクト方式」は、単一ダクトではなく、2本のダクトになります。1本は冷風、1本は温風の専用ダクトになります。各部屋に吹き出す直前に混合ユニットで熱負荷に応じた温度に調整して吹き出します。各部屋で温度制御もでき、換気量も確保できますが、冷暖の混合によってエネルギーロスも大きく、単一ダクト方式よりも省エネではありません。またダクトも2本となり設備や運転コストも高くなります。

「4.ダクト併用ファンコイルユニット方式」は、熱負荷の高い窓際(外壁側)の室内空間(ペリメータ部分と言います)に小さい空気調和器であるファンコイルユニットを設置して、人が集まる内側の室内空間(インテリア部分と言います)は「1.定風量単一ダクト方式」で対応するやり方です。ファンコイルユニットは負荷変動の少ない内部負荷相当の空調機とダクトで良い為、小さくて省スペースでいけます。個別の室内制御もできますが、ペリメータ部分とインテリア部分での混合損失が発生する為、対策をしないと省エネになりません。

オフィスなどでLANケーブルや電源コンセントを這わせる為に床が二重床になっています。「5.床吹き出し方式」は、その二重床を活用して、床面に吹き出し口を付けて温湿度調整と埃を除去した空気を送り込む方式です。ダクトの配管を用いない為、搬送動力を削減でき、冷房の冷たい空気も天井から吹き出すよりも効果的に送り込める為、天井吹き出し口よりも3℃ほど高い19℃設定で大丈夫で、かなり省エネです。

「6.放射冷暖房方式」は、床・壁・天井に冷温水が走る配管を通し、その配管で暖まった温風や冷やされた冷風が送り込まれる方式です。これはVAVユニットなどと組み合わせて、各部屋に送り込む必要があります。

「7.低温冷風空調システム」は、氷蓄熱方式と併用して、通常の空調吹き出し温度よりも低い温度で吹き出します。それにより、送風量や送水量を削減して、より設備を小さく(ダウンサイジング)させ、省エネにします。給気が低温になるので、結露対策や室内温度の過剰な低下に気を付ける必要があります。

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