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内部結露とは

前回、結露の中でも生活に身近な「表面結露」に関して書きましたが、今回は「内部結露」についてまとめたいと思います。

そもそも内部結露とは、窓や壁の表面ではなく、壁の内側の木材などの建材中で結露することを言います。

これは昔の建物では少なく、最近の建物の方が良く起こる現象です。 理由は、「断熱材」です。昔は壁の内側部分に断熱材などは入っていなかった為、壁の内側の温度がゆるやかに変動していましたが、昨今の建物には断熱材が入っていることが多い為、冬場など壁の内側において室内側は温度が高く、断熱材を挟んで室外側は温度が低いという急激な温度変化構造になりました。

一方で空気中の水分、つまり湿度は室内の湿度からゆるやかに外に向かって変動するため、室内の湿度が高い場合は、断熱材を挟んだ外気に近い側で温度が下がりすぎて結露を起こしてしまいます。

これが内部結露です。内部結露が生じると、壁内側の建材、多くは木材などが湿ってしまい、カビが大量に発生し、健康にも非常によくない空気環境を作ってしまいます。

では、 そうした内部結露を防ぐには、どうしたらよいのでしょうか。対策としては「防湿層」を作ることです。 つまり、室内からすぐの場所に防湿シートを張り巡らせ、水分が断熱材の中に通らないようにするのです。

そうすれば、断熱材を超えた室外の傍で急激に温度が下がっても、水分が少ない為、内部結露することはありません。ただし、防湿シートが少しでも剥がれていたり、隙間があれば水分は一気にそこから入ってしまいますので、シートの施工にも注意が必要です。

こうした内部結露を測る上での指標に、木材の水分保持率である「含水率」があります。(含水率の計算において、人は66%が水でできているとすれば、200%の含水率になります。)

平衡含水率の値は、吸湿時<放湿時となり、一度水分を中に多く含んでしまった木材は外になかなか放湿せず、乾燥しにくくなります。(中に水を含んだ木材が外に放湿する度合い(湿気の通りやすさ)を「湿気伝導率」とも言います。)

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