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3.202019
建物管理の会社は、不動産や金融のように登録資格が必要?
不動産会社の多くは、宅地・建物の売買や賃借の代理・媒介を行う為、「宅建業」の免許を取得します。
その免許を取得するには、社内に「宅地建物取引士」の資格を持ったスタッフが必要となります。
他にも金融の証券会社などであれば、「第一種金融商品取引業」や「第二種金融商品取引業」の免許がないと、有価証券やファンドの売買を行うことが出来ない為、事業が運営できません。
それでは、建物管理においても登録制度があるのでしょうか。答えは「あります」。
下記の8つの項目で都道府県知事から事業を登録することができます。
1.建築清掃業【清掃】
2.建築物空気環境測定業【空気】
3.建築物空気調和ダクト清掃業【空気】
4.建築物飲料水水質検査業【水】
5.建築物飲料水貯水槽清掃業【水】
6.建築物排水管清掃業【水】
7.建築物ねずみ昆虫等防除業【害虫防除】
8.建築物環境衛生総合管理業
ただし、この登録を受けていないと、建物管理の事業ができないわけではありません。
建物管理においては、登録がなくても普通に事業活動ができます。
では、登録するメリットはないのでしょうか。
いえ、多少あります。
主には下記の2点になります。(2つ目が大きいです。)
1.登録業として表示が可能(社会的な信頼のPRが可能)
2.官公庁の入札案件で優先されるようになる
登録にはそれぞれの項目で基準があり、有効期間は6年となります。
各項目の主な登録基準は下記の通りです。
【建築物清掃業】
1.真空掃除機
2.床磨き機
【建築物空気環境測定業】
1.浮遊粉塵の測定器
2.一酸化炭素検定器
3.二酸化炭素検定器
4.温度計
5.乾湿球湿度計(相対温度)
6.風速計(気流)
7.ホルムアルデヒドの測定器
8.空気環境の測定作業に必要な器具
【空気調和用ダクト清掃業】
1.電気ドリル及びシャー又はニブラ
2.内視鏡
3.電子天秤または化学天秤
4.コンプレッサー
5.集塵機
6.真空掃除機
【建築物飲料水水質検査業】
1.高圧蒸気減菌器、乾熱減菌器、乾燥器及びふ卵器
2.フレームレスー原子吸光光度計または誘導結合プラズマ発光分光分析装置
3.光電分光光度計または光電光度計
4.ガスクロマトグラフ
5.蒸留装置または還流冷却装置
6.電子天秤または化学天秤
7.水質検査を適確に行うことの出来る検査室を有すること
【建築物飲料水貯水槽清掃業】
1.揚水ポンプ
2.高圧洗浄機
3.残水処理機
4.換気ファン
5.防水型照明器具
6.色度計、濁度計及び残留塩素測定器
7.上記の機械器具を適切に保管することのできる専用の保管庫を有すること
8.上記の機械器具は、飲料水の貯水槽の清掃に専用のものであること
【建築物排水管清掃業】
1.内視鏡
2.高圧洗浄機、高圧ホース及び洗浄ノズル
3.ワイヤ式管清掃機
4.空圧式管清掃機
5.排水ポンプ
6.上記の機械器具を適切に保管することのできる専用の保管庫を有すること
7.上記の機械器具は、排水管の清掃に専用のものであること
【建築物ねずみ昆虫等防除業】
1.照明器具、調査用トラップ及び実体顕微鏡
2.毒じ皿、毒じ箱及び捕そ器
3.噴霧機及び散粉機
4.真空掃除機
5.防毒マスク及び消火器
6.上記の機械器具及び防除作業に用いる薬剤を適切に保管することのできる専用の保管庫を有すること
【建築物環境衛生総合管理業】
1.真空掃除機
2.床磨き機
3.空気環境の測定器具
4.残留塩素測定器
建物管理において資格や免許は不要ではありますが、上記の事業登録や「ビル管理士」が社内にいることは規模や業務範囲が大きくなってくれば、かなり有用になると言えます。