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騒音の伝播の仕方

以前、「騒音の計算に関する考え方」(対数関数で数値化)について紹介しましたが、今回は騒音の伝播の仕方とその防ぎ方の紹介をします。騒音の伝播方法は2種類あります。

1.空気伝播音; 空気の振動で伝わる音
2.固体伝播音: 設備機器の振動が建物自体を振動し、壁から放射される音

通常の騒音の伝播方法は、1の空気を仲介して音が伝わります。その場合の騒音の防ぎ方としては、窓や壁、床などで物理的に空気を遮断してしまうのが良い方法です。

2は家庭で言えば、洗濯機などの振動音が壁から伝わるイメージです。この場合の騒音の防ぎ方としては、機器自体の振動を抑えるか、防振パットなどを使って防振対策するしかありません。

家庭の騒音で良く聞こえてくるのは、マンションなどで上の階の人の足音やモノを落とす音です。こうした音を床衝撃音と呼び、下記のように2種類に分かれます。

1.重量床衝撃音: 人(重いもの)が飛び跳ねたりするときに聞こえる音
2.軽量床衝撃音: 食器など(軽いもの)が落ちた時に聞こえる音

1の「ドンドン」という人の足音などは、低周波の音で非常に伝わりやすい音になります。床自体の作りをガッチリした質量の重い床躯体にしなければ、防ぐことは出来ません。一方、2の音は高周波の音で、床にやわらかい絨毯やカーペットなどを敷くことで衝撃音が緩和されます。

もともと、人は低い音(低周波)を感知しやすいように出来ていて、高い音(高周波)に関しては徐々に聞こえにくくなるため、より1の音は気になります。(「耳で聞こえる音の強弱」を参照)

道路の騒音で言えば、車やトラック、路面電車といった道路交通振動による騒音があります。これを緩和する方法は2つあります。

1.防振溝: 道路脇に溝を掘り、地表から伝わる振動音(固体伝播音)を防止する
2.遮音塀: 道路脇に塀を立て、空気から伝わる音(空気伝播音)を防止する

1の防振溝は普段なかなか見る事はできませんが、2の遮音塀は高速道路で走っていると、急に風景が見えなくなる経験があるかと思いますが、あれが遮音塀になります。

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