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配管と水圧・水量

前回の給水方式を用いて、水を建物内の各所に供給していきますが、その際に直接つないでいくものが「配管」になります。
配管を設計する上で気を付けることは、

1.水が詰まったり、配管内に空気が入り込み流水を邪魔しないように凹凸を避ける
2.上向き配管方式(1階からポンプで上に供給していく方式)→先上がり配管
3.下向き配管方式(屋上の高架水槽から下に供給していく方式)→先下がり配管 
4.横引き管(床下などに横向きに設置されている配管)→1/300の勾配をつける
5.配管の流速→0.9~1.2m/s
6.給水管と排水管が平行して埋設される場合は500mm以上離し、給水管は排水管の上方に埋設する(配管が損傷したときに水が混ざらないように)
7.飲料水用の配管は、雑用水や汚水用の配管とつながないように、配管の見た目で分かるようにする
8.立て配管→地震による変形を防ぐ為に耐震支持を行う
9.ウォーターハンマー(水流を急に締め切った時に管内に起きる衝撃と高水圧)の可能性がある配管には防止弁をつける
10.ポンプに配管や弁をつける時は、ポンプに荷重がかからないように配管や弁を支える

給水の圧力に関して、あまりにも圧力があり過ぎると使用しにくい為、下記の上限があります。

1.ホテルや住宅: 0.3MPa
2.事務所や工場: 0.5MPa

ただ、高層階の屋上に設置してある高架水槽の場合、1Fや2Fでの水圧が強くなりすぎる為、低層階にもう一基高架水槽を設置して水圧を調整することがあります。これを「ゾーニング」といいます。

逆に、屋上の高架水槽と最上階のフロアの距離が近すぎても、水圧が弱くなりすぎて、大便器の洗浄がしっかりとできません。そのため、屋上の高架水槽と最上階のトイレの高さは7m以上が必要となります。

また、給水量については、建物内で人が何をするかによって変化します。

1.事務所: 60~100L/人(トイレ)
2.病院: 1,500~3,500L/人(トイレ、洗面、飲食、手術、治療)
3.ホテル: 350~450L/室(トイレ、洗面、飲食)
4.飲食店: 55~130L/人(トイレ、飲食)
5.小中学校: 70~100L/人(トイレ)

一方、カップ麺用のお湯を沸かしたり、シャワーやお風呂といった利用がある場合は給湯が必要になります。

1.事務所: 7.5~11.5L/人
2.病院: 150~200L/人
3.ホテル: 75~150L/人

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