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画面の光による疲れ

前回の記事から、建物内の「光」について紹介しましたが、オフィスなどのビル内に必ず存在するのが、PCやディスプレイの光です。こうしたPCやディスプレイなどの表示画面の事をVDT(Visual Display Terminals)と言います。

VDTは自ら光を発している(太陽光による反射光ではない)為、画面が明るすぎると逆に見えにくくなるという特性があります。特に、周りの明るさ(照明状況)とディスプレイの明るさに差分があり過ぎると、より眩しく感じ、目が疲れやすくなります。

よくテレビのアニメ番組などで「テレビを見るときは部屋を明るくしてテレビから離れて見てください」とテロップが出るようになりましたが、これはアニメ「ポケモン」で、視聴者が光過敏性発作を起こした事件がきっかけです。

ディスプレイの光は照度500ルーメン以下、逆にキーボードや机での照度は300ルーメン以上にすることが推奨されています。(正直、ルーメンと言われても通常ピンとこないですが、プロジェクターなどを選ぶ時は、このルーメンを頼りに購入を選択することになります。プロジェクターは安いものだと100ルーメンなど暗くしないと見えないものや、明るい会議室でも使えるものだと3,000ルーメンなど幅広くあります。)

ディスプレイの光が強すぎて、周りが暗い状態だと「グレア」と呼ばれる不快感やモノの見えづらさを生じさせる「眩しさ」を感じてしまいます。例えば、夜間に対向車のヘッドライトがハイビームになっていて、直接それを見てしまった時に起こるモノが見えづらくなる現象です。

PC作業などを長時間行う環境においては、なるべく作業場所の照明の明るさを十分に保つことが大事になります。
また、高齢者の場合は若者よりも目の疲れの回復に時間がかかり、老眼鏡などを用いている場合は特に画面やキーボードが見にくくなって目の疲れが倍増します。

建物内の推奨される照度基準が下記になります。

1.製図室: 750~1,500ルーメン
2.事務室・会議室: 300~750ルーメン
3.講堂: 150~300ルーメン
4.休養室: 75~150ルーメン
5.非常階段: 30~75ルーメン

懐中電灯の光がおよそ80~500ルーメン程で、車のヘッドライトは3,000ルーメンくらいになります。人間の目にとって、何でもかんでも明るくすれば良いのではなく、明るい部分と暗い部分がくっきりと分かれないように建物内の照明環境を作ることが重要だということです。

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