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明るい環境とは①

空気環境管理の最後の内容として、部屋の「明るさ」の管理について紹介します。まず部屋の明るさを決定するのは下記の2種類の照明になります。

1.昼光照明
2.電気照明

1は、太陽の光などの自然光による明るさです。2は人工の照明による明るさです。

昼光は、直射日光天空光で成り立ちます。一見すると太陽光による明るさは直射日光のみの影響かと思うのですが、曇りなどで太陽光があっちこっちに反射分散された光線(天空光)の影響も多く受けます。

外に立って明確に影が出来る時は、直射日光の影響の方が強く、影が出来ない時は天空光の影響の方が強いことになります。なので、設計用全天空照度は、快晴時よりも曇っている時の方が高くなります。

室内の明るい環境を作るには、下記の指標を用いて照明設計する必要があります。

1.照明率: 作業面に入射する光の束の率
2.保守率: 照明の清掃(汚れ)具合を測る指標
3.照明均斉度: 照度分布の均一性の指標
4.設計光束維持率: 寿命までの照明の減退率

1の照明率は直接的な明るさを測る指標になります。照明器具の個数や何処を照らすか、部屋の大きさや形状などを考えて調整します。

2の保守率は、工場など空気が汚れやすい場所では、照明にも油などがついて直ぐに明るさが弱くなってしまいます。定期的な照明の清掃が必要になります。

3の照明均斉度は、暗い場所と明るい場所のムラを測定します。使わない部屋であれば良いですが、使う部屋であればムラなく明るいように設定しておく方が明るい環境を保つことができます。

4の設計光束維持率は、照明の選定をするときに検討されます。光束の維持率が高い照明の順番は下記になります。

1.一般照明用の白熱電球
2.高圧ナトリウムランプ: ひと昔前の高速道路のトンネルの黄色い照明
3.蛍光水銀ランプ: 工場や倉庫で使われる白い明るい照明
4.蛍光ランプ
5.メタルハライドランプ: サッカーや野球などのナイター用の照明

案外、普通の白熱電球は明るさが落ちにくいということが分かります。古いマンションなどでLEDではない蛍光灯が使われていると、薄暗くなっているものを見る事はあると思います。また、大きなグラウンドや球場で使うメタルハライドランプは非常に明るいですが、暗くなっていく割合も高いと分かります。ただ、現状はいずれもLED照明に変わりつつあるので、それほど明るさが落ちることも減ってきました。

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