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建物の構造形式

建物は柱や梁といった骨組みを組み合わせて、形をつくっていきます。その形を作る上で重要なことが「壊れない」ことです。壊れない建物を作るには、力学を理解した構造にする必要があります。

重いものが載っても大丈夫だったり、地震で揺れても大丈夫なように、色々な方向からかかる力に対して耐えられるように作ります。その構造の種類としては下記が挙げられます。

1.ラーメン構造: 柱と梁を溶接してくっつける構造(ガチガチ系)
2.シェル構造: 薄厚の曲面板でつくる柱がない斬新な構造(オペラハウス系)
3.トラス構造: 鉄橋など三角形に組んだ構造、構造上強い(橋系)
4.アーチ構造: 弓形の弧を描く構造、構造上強い(トンネル系)
5.壁式構造: 柱や梁を使わずに壁だけで支える構造(地震に強い系)
6.空気膜構造: ドーム型野球場(ドーム系)
7.吊り構造: 吊り橋などケーブルの引っ張り力で支える構造(吊り橋系)
8.折板構造: 平面板を組み合わせた多面体状の構造(折り紙系)

構造を形づくる材料(柱や梁など)には力がかかります。その材料の中で生じている力を応力といいますが、構造別にこの応力の掛かり方が変わります。

最も応力がかかりやすいのが、1の「ラーメン構造」です。普通の家などはこの形を取りますが、柱や梁が接合でガチガチに固定されているため、柱には曲げモーメントや剪断力、軸方向への応力、梁には曲げモーメントと剪断力がかかってしまいます。その代わり、ラーメン構造の場合は空間を広く使う事が出来る為、デザインもしやすく良く使われる構造です。

一方で、比較的頑丈になる構造として、3の「トラス構造」があります。この構造であれば、構造の梁にかかる力は軸方向の応力のみとなります。

また面内力を利用した構造が、2の「シェル構造」や8の「折板構造」です。シェル構造の代表的な建築物としては、オーストラリアにあるシドニー・オペラハウスがあります。一方、折板構造は板を折り紙のように曲げて使う事で頑丈にする形状です。読み方は「せっぱん」と読みます。工場や倉庫の屋根を見ると、まっすぐではなく台形にいくつも曲がった屋根があると思いますが、これが折板構造になります。

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